YAMADARIUM

本棚「比べない」の棚

比べない

名前のない星たち

秋野唄(AKINO Uta)

星座に入らない星は、ひとりぼっちですか。

一

この本について

ベッドの隅っこで他人のハイライトを指で弾き続ける夜から、名前のない星でいいと言い切るまでの歌です。

楽しそうな写真が流れるたび、主役になれない自分が浮き彫りになる。誰かが勝手に引いた境界線の内側で、笑い合う人たち。入れないぼくらは透明人間みたいに息を潜めて、朝を待っています。

画面越しの数字で価値を量るのは、もうやめにしよう。比べ合うゲームを降りたところから、本当の呼吸が始まる気がする。無理に繋がって星座にならなくていい。誰かを照らすための光ではなく、きみがきみのために燃やしている熱があるから。

繋がらないことは、孤独ではなく、誰にも寄りかからずに立っている証拠。夜が深いほど輪郭は際立ちます。きみの世界の真ん中にいるのはきみだと、冷たい夜を光り続ける一冊です。

二

見方を裏返す

表は、よくある見方。裏には、この詞の見方が書いてあります。

歌詞の中の、その一節へ

三

本文

読み進めるほど、言葉に灯りがともっていきます。心に残った行は、押すと栞をはさめます。金色の言葉は、ほかの本につながっています。

40 行

指先で弾く 他人のハイライトベッドの隅っこ ぼくはただの観客楽しそうな写真が 流れるたびに主役になれない自分が 浮き彫りになる

誰かが勝手に 引いたその内側で 笑い合う人たち入れないぼくらは 透明人間みたいに息を潜ひそめて 朝を待っている

で 何が悪いんだ無理に繋がって 星座になんてならなくていい誰かを照らすための じゃなくてきみがきみのために 燃やしてる熱がある一人のままで 十分に綺麗だ

画面越しの数字で 自分の価値を量ろうとするのは もうやめにしよう比べ合うゲームを 降りたところから本当の呼吸が 始まる気がするんだ

浮かないように 気を読みすぎてすり減っていくのは 痛いほどわかるよその小さな枠を はみ出したとしても宇宙の広さから見れば みたいなものさ

名前のない星で 何が悪いんだ無理に繋がって 星座になんてならなくていい誰かを照らすための 光じゃなくてきみがきみのために 燃やしてる熱がある一人のままで 十分に綺麗だ

繋がらないことは 孤独なんかじゃない誰にも寄りかからず そこで立っている証拠だの闇が 深ければ深いほどきみの輪郭りんかくは はっきりと際立きわだつから

名前のない星で 何が悪いんだ無理に繋がって 星座になんてならなくていい誰かを照らすための 光じゃなくてきみがきみのために 燃やしてる熱がある一人のままで 十分に綺麗だ

脇役だなんて もう言わせないよきみの世界の 真ん中にはきみがいる誰かの作った 神話には乗らずにぼくらだけの 点と点としてこの冷たい夜を 光り続けよう

目録カード

「光」が出てくる、ほかの本 15 冊

目録カード

「夜」が出てくる、ほかの本 16 冊

目録カード

「空」が出てくる、ほかの本 20 冊

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

星座の境界線

88の星座には、1930年に公表された「境界線」がある

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

名前のある星

国際天文学連合が固有の名前を整理している星は、数百ほどしかない

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味

まばたき

「またたく」「まばたく」は、「目(ま)を叩く」から来た言葉

寄り道する

四

あとがき

夜空の星座には、実は「境界線」があります。八十八の星座の領域を区切る線が定められ、一九三〇年にベルギーの天文学者デルポルトが公表しました。線は星の並びとは関係なく、空の座標に沿って引かれています。星そのものは、線を引かれたことも知らずに光っていました。名前についても同じで、国際天文学連合が固有の名を整理している星は、数百ほど。空の星のほとんどは、番号で呼ばれるか、名前のないままです。誰かが引いた線の内側にいないことは、欠けていることだと思われがちです。でも、線も名前も、あとから人がつけたもの。どの線の中にもいない夜を、ただ光っている時間だと考える見方があってもいいのではないでしょうか。

五

この本の歌を聴く

近日公開予定です。

六

向かいの棚から、一冊

この本とは、少し違う見方の本です。

交差点の無重力逃げていい読了誰にも見られていないことは、さびしいことですか。

「比べない」の棚の向かいには、「逃げていい」の棚があります。

七

次の一冊を探す

この本を閉じたら、また本棚へ。