YAMADARIUM

本棚「踏み出す」の棚

踏み出す

Fly Beyond

秋野唄(AKINO Uta)

燃え尽きることは、負けですか。

一

この本について

今、何かに挑戦しているすべての人へ。

胸の中でカウントダウンが鳴り、足もとの灯りが震える。打ち上げを待つロケットの目線で歌われる、発射までの数分間の歌です。

静まりかえった人だかり、燃える空を映す目。みんなの夢が肩にのり、みんなの希望が叫び声の向こうにある。その重さを血の中で感じながら、振り切らなければならない重力がある。そして、もし途中で燃え尽きるとしても、何か大きなもののために燃えたい、と願う。

恐れは影になり、影は炎に変わる。燃料が尽きても、向こう側へ。青が黒に溶けていく高さで、夢が背中で点火する。宇宙に向かう小さな火花が、燃える跡で線を引いていく。

期待を背負う怖さと、それでも飛ぶことを選ぶ瞬間。その両方を抱えたまま、空を見上げる一冊です。

二

見方を裏返す

表は、よくある見方。裏には、この詞の見方が書いてあります。

歌詞の中の、その一節へ

三

本文

読み進めるほど、言葉に灯りがともっていきます。心に残った行は、押すと栞をはさめます。金色の言葉は、ほかの本につながっています。

43 行

breathing in my chest(胸の中で息づくカウントダウン)Lights are trembling on the ground(地上のが震えているのがわかるかな)Every heartbeat feels like fire(鼓動がまるで炎みたいに熱くて)Rising higher than the sound(轟音よりも高く、舞い上がっていく気がするよ)

People gather in the silence(みんなが静寂の中に集まって)Eyes reflecting burning skies(その瞳に、燃えるようなを映している)All their dreams are on my shoulders(みんなのを、今この肩に背負っているよ)All their hope behind their cries(叫び声の奥に隠れた、すべてのをね)

And I feel it in my veins(血管の隅々まで伝わってくるんだ)The I have to break(僕が振り切らなきゃいけない、この重力が)If I on the way(もし道半ばで燃え尽きてしまうとしても)Let me burn for something great(どうか、何か大きな意味のために燃えさせてほしい)

Fly(飛んでいけ)carry every wish beyond the night(すべての願いを、の向こうへ運んでおくれ)Farther(もっと遠くへ)past the edge of every light(すべての光の果てを、越えていって)

Engines shaking through my heartbeat(鼓動と一緒に震えるエンジン)Stars are pulling at my name(星たちが僕の名前を呼んで、引き寄せているみたい)Every fear becomes a shadow(怖さなんて、ただの影に変わって)Every shadow turns to flame(その影すらも、最後には炎になっていく)

Voices rising from the planet(この星から湧き上がる声が聞こえる)Go beyond what we could see(「僕らが知る景色の、その先へ行って」)In their echo I remember(そのこだまを聴くたびに思い出すよ)What the future asks of me(が僕に、何を託しているのかを)

If the darkness opens wide(もし暗闇がぽっかりと口を開けても)I will cut a path inside(僕がその中に、道を切り拓いてみせるよ)Even if my fuel runs dry(たとえ燃料が空っぽになったって)I will reach the other side(必ず向こう側へ辿り着くから)

Fly(飛んでいけ)leave the limits falling out of sight(限界なんて、見えない場所へ置いていって)Higher(もっと高く)where the dawn becomes the light(夜明けが光に包まれる、あの場所へ)

Blue is fading into black(青空が黒い宇宙へと溶けていく)Dreams ignite behind my back(背中では、みんなの夢が火を吹いているよ)I'm a spark against the cosmos(僕は宇宙に立ち向かう、ちっぽけな火花)Let my burning draw the line(でも、このを燃やして軌跡を描かせてほしい)

Fly(飛んでいけ)for the ones who dared to dream the sky(恐れずに空を夢見た人たちのために)Farther(もっと遠くへ)to the place where hope can't die(希望が絶対に消えない場所まで)

for the voices calling from the night(夜の底から僕を呼ぶ声のために)Farther(もっと遠くへ)where the dark turns into light(暗闇が光へと変わる、あの場所まで)

目録カード

「命」が出てくる、ほかの本 1 冊

目録カード

「未来」が出てくる、ほかの本 1 冊

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

カウントダウン

ロケットの打ち上げ前のカウントダウンは、1929年のドイツの映画が始まりだと言われている

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

重力

地球の重力を振り切るのに必要な速さは、秒速およそ11キロメートル

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味

燃え尽きもえつき

「燃え尽き(バーンアウト)」という言い方は、1974年の論文から広まった

寄り道する

四

あとがき

燃え尽きるのは、がんばりすぎた人の失敗だ、と言われることがあります。けれど「燃え尽き」という言葉は、1970年代、人を助ける仕事に打ちこんだ人たちを見つめた心理学者の観察から生まれました。燃え尽きるほど燃えたのは、それだけ何かを大切にしていたから。もちろん、燃え尽きないように休むことも大切です。それでも、怖さや期待の重さを消そうとせず、燃料として抱えたまま飛ぶ、という生き方があってもいい。燃えた跡は、ちゃんと一本の線になって残ります。

五

この本の歌を聴く

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六

向かいの棚から、一冊

この本とは、少し違う見方の本です。

Fragile立ち止まる読了理由もなく泣く日は、弱い日ですか。

「踏み出す」の棚の向かいには、「立ち止まる」の棚があります。

七

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この本を閉じたら、また本棚へ。