YAMADARIUM

本棚「分け合う」の棚

分け合う

「いただきます」の祈り

秋野唄(AKINO Uta)

わかり合えない人とは、ずっと敵ですか。

一

この本について

テーブルクロスの上に、武器はいらない。

正義の名のもとに振りかざされた武器と、悲鳴をあげる大地。この歌は、そこに一枚のテーブルを置いてみます。勝者も敗者も、お腹は減るはず。だから一旦、すべてを床に置いて、同じ食卓を囲んでみませんか、と。

「いただきます」と言うとき、敵も味方も違いはない。命をいただいて、命をつないでいる。温かいスープを喉の奥へ流しこめば、凝り固まった憎しみも溶けていく。ひときれのパンをちぎって渡し合う、ただそれだけで涙が出そうになる。

異なる思想より、共通の空腹を。世界中の人が同時に手を合わせる姿を、そんな馬鹿げた奇跡を、本気で願う。値札のない食卓で命を分け合い、「ごちそうさま」の笑顔で明日を始める。大きな話を、いちばん身近なあいさつから考えてみる一冊です。

二

見方を裏返す

表は、よくある見方。裏には、この詞の見方が書いてあります。

歌詞の中の、その一節へ

三

本文

読み進めるほど、言葉に灯りがともっていきます。心に残った行は、押すと栞をはさめます。金色の言葉は、ほかの本につながっています。

45 行

正義の名のもとに振りかざした武器傷ついた大地が悲鳴をあげています

勝者も敗者もお腹は減るはずだから一旦、すべてを床に置いてみませんか

同じ食卓を囲んで「」って言うんだって敵も味方も違いはないんだよ

をいただいて命を繋いでいるんだその究極の祈りこそが平和のゴールだから

イデオロギーの違いを並べ立てて食わず嫌いをしている場合じゃないんです

温かいスープを喉の奥へ流し込めば凝り固まった憎しみも溶けていくんだ

ひときれのをちぎって渡し合うただ、それだけでが出そうになるよ異なる思想より共通の腹を生き物としての根源を思い出してよ

テーブルクロスの上に武器はいらない並べるのはスプーンと優しい眼差し

世界中の人が同時に手を合わせる姿をそんな馬鹿げた奇跡を本気で願うよ値札のない食卓で分け合う命を「」ので明日を始めよう

言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味

ごちそうさま

「ごちそう」の「馳走」は、もとは馬を走らせて「走り回る」ことだった

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味

いただきます

「いただく」は、もともと「頭の上にのせる」という意味だった

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味

パン

英語の「仲間(companion)」は、「パンを共にする人」から生まれた

寄り道する

四

あとがき

わかり合えない相手とは、議論で決着をつけるしかない。そう思うと、気持ちはどんどん固くなります。でも、英語の「companion(仲間)」は、もとをたどると「パンを共にする人」という意味だそうです。そして「いただく」は、もともと頭の上にのせる、ささげ持つという意味の言葉でした。仲間になる前に、まず同じものを食べる。言い負かす前に、まず受け取ったものに頭を下げる。そんな順番があってもいいのではないでしょうか。考えが違う人とも、お腹は同じように減ります。わかり合うのは、ごちそうさまのあとでも遅くありません。

五

この本の歌を聴く

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六

向かいの棚から、一冊

この本とは、少し違う見方の本です。

魔法が解けたシンデレラ信じ直す読了魔法が解けたら、もう終わりですか。

「分け合う」の棚の向かいには、「信じ直す」の棚があります。

七

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この本を閉じたら、また本棚へ。