YAMADARIUM

本棚「比べない」の棚

比べない

Stardust on the Windowsill

Yamadarium

新しくならなきゃ、と思っていませんか。

一

この本について

今日は、掃除をしなかった。そんな夜の窓辺から始まる歌です。

ランプの光の筋の中を、ほこりの粒がゆっくり回っている。いつもなら払ってしまうその灰色を、この歌はそのままにしておきます。わたしの中の強さは星の中で生まれた、と歌は言います。だから、この脚の痛みも、疲れた手を流れる血も、はるばる長い旅をして、こんな夜ふけまでつきあってくれている。

どの家の棚にも、フックに掛けたコートにも、まだ開けていない手紙にも、積み重なった請求書にも、同じ遠い昔の炎が、ゆっくり冷えてとどまっている。ありふれたものなんて、ひとつもない。

新しくならなくていい。疲れたところも含めて、もう少しだけ、このままで。掃除は、明日にしようかな。急がない夜のための一冊です。

二

見方を裏返す

表は、よくある見方。裏には、この詞の見方が書いてあります。

歌詞の中の、その一節へ

三

本文

読み進めるほど、言葉に灯りがともっていきます。心に残った行は、押すと栞をはさめます。金色の言葉は、ほかの本につながっています。

41 行

I didn't today.(今日、掃除をしなかったんだ)The lamp throws a long beam(ランプのが長い筋になって)across the windowsill,(窓枠の上を横切ってる)and there it is, drifting,(見ると、その光の中に何かが漂ってる)specks turning, slow as thought,(ほこりの粒が、考えごとみたいにゆっくり回ってる)gray on the painted wood(ペンキの窓枠の上で、ほんのり灰色に)

It's , it's stardust(スターダスト、スターダスト)on the windowsill,(窓辺に降りつもる)old as the start of us,(わたしたちのはじまりと同じくらい古くて)and settling, still,(いまも静かに、舞い降りてくる)I won't brush it away, I'll(払ったりしないよ)let it stay a while(もう少しだけ、このままで)

They say the in me(わたしの中の強さは)was made inside a star,(星の中で生まれたんだって)so the ache in my legs,(だから、この脚の痛みも)the blood in my tired hands,(疲れた手を流れる血も)came the long way to me(はるばる長い旅をして)to sit up with me late(こんなふけまで、わたしにつきあってくれてる)

It's stardust, it's stardust(スターダスト、スターダスト)running in my veins,(この血の中を流れてる)burned in a far furnace,(遠い星の炉で燃えて)and it still remains,(いまもここに残ってる)I don't need to be brand new, I'll(新しくなんて ならなくていい)let it stay a while(もう少しだけ、このままで)

Every shelf in every house,(どの家の、どの棚も)every coat on every hook,(どのフックに掛かったコートも)all of it, the same old fire,(ぜんぶ、同じ遠い昔の炎が)cooled down slow enough to stay(ゆっくり冷えて、ここにとどまったもの)

It's stardust, it's stardust(スターダスト、スターダスト)on the coffee cup,(コーヒーカップにも)on the mail I haven't opened,(まだ開けていない手紙にも)on the bills stacked up,(積み重なった請求書にも)nothing here is ordinary, I'll(ありふれたものなんて、ひとつもない)let it stay a while(もう少しだけ、このままで)

It's stardust, it's stardust,(スターダスト、スターダスト)not just on the sill,(窓辺だけじゃない)every weary part of us(わたしたちの疲れたところも ぜんぶ)was fire once, and still,(かつては炎だった、そしていまも)we won't brush it away, we'll(払ったりしないよ)let it stay a while(もう少しだけ、このままで)

Maybe I'll dust tomorrow.(掃除は、明日にしようかな)

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

ほこり

家のほこりの半分以上は、外から運ばれてきたもの、という見積もりがある

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

鉄てつ

体の中の鉄の多くは、遠い昔の超新星の中でつくられた

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

星屑ほしくず

街の屋根に積もったちりの中から、宇宙から降ってきた粒が見つかっている

寄り道する

四

あとがき

疲れたら、リセットして新しい自分になる。そう考えると、古い自分は払うべきほこりのように思えてきます。でも、わたしたちの体の中の鉄の多くは、遠い昔の超新星の中でつくられたものだそうです。街の屋根に積もったほこりからは、宇宙から降ってきた小さな粒も見つかっています。ありふれたものの中に、気の遠くなるほど長い時間が積もっている。それなら、すり減った自分も、すぐに払わなくていいのかもしれません。新しくなるより、いまの自分にもう少しつきあってみる。そんな夜があってもいい。掃除は、明日で間に合います。

五

この本の歌を聴く

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六

向かいの棚から、一冊

この本とは、少し違う見方の本です。

Fifteen Degrees Up選び直す読了最後に空を見上げたのは、いつですか。

「比べない」の棚の向かいには、「選び直す」の棚があります。

七

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