三
本文
読み進めるほど、言葉に灯りがともっていきます。心に残った行は、押すと栞をはさめます。金色の言葉は、ほかの本につながっています。
Two floors down, a filing room that's never felt day,(地下2階 昼を知らない資料室)not once.(一度だってね)Boxes, binders, buzzing tubes, me bent over both,(箱 バインダー うなる蛍管 その上にかがむ私)five days.(週5日)Dark when I descend, and dark again when I'm done,(降りるときも暗く 終わるときも また暗い)both ends.(行きも帰りも)Weeks of weekdays, weather's what the weekend tells me,(平日ばかりの毎週 天気は週末に知る)hearsay.(又聞きで)
, so I sneak up the stairs and step outside,(冬至だから こっそり階段を上がって 外へ)twelve-ten.(12時10分)People pass, a pale patch of sun is on a bench,(人が行き交う ベンチに 淡い陽だまり)I sit.(腰を下ろす)Sun slides along the slats, so I slide over, slow,(陽だまりが 板をすべっていく 私も ゆっくり すべって)follow.(ついていく)From end to end I edge along an empty bench,(いたベンチを 端から端へ じりじりと)it moves.(日が動く)
Half the world is turning, tipping toward tomorrow,(世界の半分が 回りながら 明日へ傾いていく)right now.(いま この瞬間)Every head up here gets a hair more, every one,(北側に住むひとりひとりに ほんの少しずつ)each day,(陽が増えていく)and it's noon, it's noon at the bottom of the year.(そして正午 一年の底の 正午)
Below, the binders wait, the boxes in the black,(下では バインダーが待つ 暗がりに箱)back soon.(すぐ戻ります)Darkest day, and I'm dimmer than I've ever been,(いちばん暗い日 私も一番くすんでいる)down deep.(奥深くまで)Half my hours handed to a hole beneath the street,(時間の半分を 通りの下の穴に 渡してる)half gone.(半分が消えた)
It comes creeping, climbs my coat, my cuffs, my collar,(じわじわ のぼってくる コート 袖口 襟)my face.(顔まで)Eyes closed, everything goes amber at the edges,(目を閉じれば すべての淵が 琥珀色)easy.(緩んでいく)
Somewhere south, somebody's summer's starting to shrink,(どこか南で 誰かの夏が 短くなりはじめる)same sun.(同じ太陽)Both halves of the world at once, at the tilt, the turn,(世界の北と南が いっせいに 傾いて 折り返す)both turn,(どちらも 向きを変える)so it's noon, still noon, at the bottom of the year.(だから正午 まだ正午 一年の底で)
Back I go to binders, boxes, and the buzzing,(戻ろうか バインダーと箱とうなる音へ)but now(でも今は)now I know the noon's up there, nudging, never gone,(今は知ってる 上には正午 そっとつついて 消えはしない)'s mine.(正午は私のもの)
Longer, little longer, light will later,(長く 少し長く 光は遅くまで残る)let's see.(見てみよう)Tomorrow I will take the tiny, gift,(明日は 傾きがくれる 小さな贈り物を受け取る)then more,(その次も もっと)climbing out from noon at the bottom of the year.(一年の底の正午から 這い上がっていく)
One minute more.(あと1分)
最後の一行まで、読んでくださってありがとうございます。
目録カード
「光」が出てくる、ほかの本 8 冊
『Ear to the Ice』忘れないの棚日が傾いて 光が落ちていく
『Fifteen Degrees Up』選び直すの棚またスマホの光が 顔を照らす
『Fly Beyond』踏み出すの棚地上の光が震えているのがわかるかな
『Fragile』立ち止まるの棚その光景に
『Lit from Down Here』分け合うの棚幻みたいに光って
『One More Step』逃げていいの棚笑顔の裏で、光が消えていく
『Stardust on the Windowsill』比べないの棚ランプの光が長い筋になって
『Waving at the Space Station』分け合うの棚そして、やってきた。ぶれない小さな光
目録カード
「空」が出てくる、ほかの本 10 冊
『Crickets on the Night Shift』比べないの棚暗闇は 空っぽなんかじゃなかった
『Dew on Everything』立ち止まるの棚冷たい空気が そっと喉に触れる
『Fifteen Degrees Up』選び直すの棚空はずっと 席をあけて待ってた
『Fly Beyond』踏み出すの棚その瞳に、燃えるような空を映している
『Fragile』立ち止まるの棚大空に
『「いただきます」の祈り』分け合うの棚共通の空腹を
『Lit from Down Here』分け合うの棚私たちの光が 空へ返っていく
『魔法が解けたシンデレラ』信じ直すの棚空っぽだと気づいたんだ
『Still Red Underneath』信じ直すの棚ほんの少し 空気を送っただけ それだけ
『What the Tide Left Showing』立ち止まるの棚空気は 潮と海藻の匂い
言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖
いちばん早い日の入り
日の入りがいちばん早い日は、冬至ではなく、冬至の2週間ほど前にある
寄り道する言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味
正午
英語の noon は、もとは「9時間目」、つまり午後3時ごろを指す言葉だった
寄り道する言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖
地軸の傾き
北半球が冬の1月、地球は一年でいちばん太陽に近いところを通っている
寄り道する言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味
冬至
英語の solstice は、ラテン語で「太陽が立ち止まる」という意味の言葉から生まれた
寄り道する
