三
本文
読み進めるほど、言葉に灯りがともっていきます。心に残った行は、押すと栞をはさめます。金色の言葉は、ほかの本につながっています。
I fix watch gears(時計の歯車を直して)for ten-odd years,(十年あまり) on, the ticking in my ears.(ルーペをつけて 耳にはチクタク)My whole career's(この仕事 まるごと)smaller than tears.(ひと粒より小さい)I tend to strangers' souvenirs.(見知らぬ誰かの 思い出の品を手入れする)
Trash bag, out back.(ゴミ袋 裏口へ)The brick wall's black(レンガの壁は 真っ黒)except a green and track.(ビロードの緑が ひと筋 走るだけ)Kneel where bricks join,(レンガの継ぎ目に ひざをつく)squint to a point,(目を細めて 一点に)wilderness the size of a coin.(コイン一枚ほどの 原野なんだ)
One drop's a lake.(しずくひとつが 湖)Green stems that shake,(揺れる 緑の茎)a truck goes by, a whole earthquake.(トラックが通れば もう大地震) wake.(クマムシが目を覚ます)Their whole lives take(その一生は まるごと)place on one brick, make no mistake.(レンガ一枚の上で過ぎていく まぎれもなく)
The shop can wait.(店のことは あとでいい)Kneeling, I'm late.(ひざをついたまま 遅刻中)Down here, the minutes change their weight.(この低さでは 1分の重みが変わる)None out of joint,(どこにも狂いはない)who'd disappoint?(誰ひとり がっかりさせない)Wilderness the size of a coin.(コイン一枚ほどの 原野なんだ)
Small. Is. Not. Less.(小さい。けど。ちっぽけ。じゃない。)Each. Stem. Says. Yes.(どの。茎も。うなずいてる。)One. Inch. Holds. All. This. Wild. Green. Mess.(指先。ほどに。ぜんぶ。ある。この。緑の。野生の。ごちゃまぜ。)Need. Not. Impress.(すごいと。思われ。なくて。いい。)Who. Needs. Success?(成功。なんて。誰に。必要?)I. Fix. The. Small. And. I'm. No. Less.(私は。小さな。ものを。直す。それで。少しも。ちっぽけ。じゃない。)
Wet knees, stiff joint,(濡れたひざ きしむ関節)one eye, one point,(片目に 一点)wilderness the size of a coin.(コイン一枚ほどの 原野なんだ)
I'm in. I join.(私も入る 私も加わる)Wilderness the size of a coin.(コイン一枚ほどの 原野なんだ)
最後の一行まで、読んでくださってありがとうございます。
目録カード
「涙」が出てくる、ほかの本 4 冊
言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖
クマムシ
コケの中にも暮らすクマムシは、乾くと体を縮めて眠ったようになり、水が戻ると、また動きだす
寄り道する言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味
ビロード
ビロードは、ポルトガル語の veludo(ベルード)がなまった言葉。16世紀に南蛮船が日本へ運んできた
寄り道する言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味
ルーペ
時計職人や宝石職人の拡大鏡 loupe はフランス語から来た言葉で、もとは「傷のある宝石」を指したといわれる
寄り道する





