YAMADARIUM

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Rain Plays the Whole Street

Yamadarium

ずぶ濡れの帰り道は、ただの災難ですか。

一

この本について

バスに乗り遅れたずぶ濡れの帰り道で、雨が通りじゅうを鳴らすバンドに変わる。そんな歌です。

フードは上げて、気分は下げて、ラッシュの人波を抜けながら雨にぼやく。そのとき、ポツン、ポトン、と何かが鳴りだして、足が止まる。トタン屋根、雨どい、水たまり、バケツ。小さなリズムが重なりあって、通りまるごとが自分だけのライブになる。

同じ雲は東へ流れて、仕事に遅れた不機嫌な誰かのところへも行く。あしたは、あの人の番。郵便受けも、三角コーンも、バス停の屋根も、みんな楽器になっていく。

5分前まで不機嫌だったのに、肩が揺れだして、水たまりに飛びこんでいる。ちょっとの雨でこんなにも、と笑ってしまう。雨の帰り道に、ひらいてほしい一冊です。

二

見方を裏返す

表は、よくある見方。裏には、この詞の見方が書いてあります。

歌詞の中の、その一節へ

三

本文

読み進めるほど、言葉に灯りがともっていきます。心に残った行は、押すと栞をはさめます。金色の言葉は、ほかの本につながっています。

53 行

Missed the bus, made a fuss,(バスに乗り遅れ ぶつぶつ文句)hood up, mood down,(フードは上げて 気分は下げて)splashing through the rush-hour crowd,(ラッシュの人波を バシャバシャ抜けて)grumbling at the rain out loud(雨に向かって 声に出してぼやく)

Then I hear it, then I stop,(そのとき聞こえて 足が止まる)plink and plonk and drip and drop,(ポツン ポトン ポタ ポチャン)something's playing, something's tapping,(何かが鳴ってる 何かが叩いてる)little rhythms overlapping(小さなリズムが 重なりあう)

Shh, shh, listen in,(しーっ しーっ 耳を澄まして)let the little band begin,(小さなバンド さあ始まり)one-two, one-two-three,(ワン ツー ワン ツー スリー)the whole street's playing just for me(通りまるごと 私だけのライブ)

, ting-ting-ting,(トタン屋根 ティン ティン ティン)gutter, gurgle, sing,(雨どい ゴボゴボ 歌う)puddle, plip-plip-plop,(水たまり ピチャ ピチャ ポチャン)bucket bang, don't stop!(バケツが ガン! 止めないで!)

Rain plays the whole street,(雨が通りを まるごと鳴らす)every corner's got a beat,(どの角にも ビートがある)car hood, bike bell, awning drum,(ボンネット 自転車のベル 日よけのドラム)rain plays the whole street, here it comes!(雨が通りを まるごと鳴らす ほら来た!)

Same cloud, rolling ,(同じ雲が 東へ流れてく)gonna soak a few more at least,(少なくとも あと何人か ずぶ濡れに)someone sulking, late for work,(仕事に遅れて 不機嫌な誰かも)till her gutter goes berserk(雨どいが 騒ぎだすまでは)

Shh, shh, pass it on,(しーっ しーっ 次へまわそう)every drop's a little song,(ひと粒ずつが 小さな歌)one-two, one-two-three,(ワン ツー ワン ツー スリー)tomorrow it's her turn, not me(明日は私じゃなくて あの人の番だ)

Tin roof, ting-ting-ting,(トタン屋根 ティン ティン ティン)mailbox, ping-a-ping,(郵便受け ピンポン)traffic cone, knock-knock,(三角コーン コン コン)drainpipe, tick and tock,(排水管 チク タク)

Rain plays the whole street,(雨が通りを まるごと鳴らす)splashing taxis keep the beat,(しぶき上げるタクシーが ビートを刻む)plastic chairs and garbage cans,(プラスチックの椅子に ゴミバケツ)rain plays the whole street like a marching band(雨が通りを まるごと鳴らす マーチングバンドみたいに)

You hear that? I hear that.(聞こえた? 聞こえたよ)Drainpipe's coming in.(排水管が 入ってきた)Bus shelter on the ,(スネアは バス停の屋根)bike rack on the rim.(リムは 駐輪ラック)

Were you this grumpy too?(きみも こんなに不機嫌だった?)Five minutes ago, I was.(5分前までは そうだった)Funny what a little rain...(不思議だね ちょっとの雨で…)funny what a little rain does.(不思議だね ちょっとの雨で こんなにも)

Tin roof, ting-ting-ting,(トタン屋根 ティン ティン ティン)shoulders start to swing,(肩が揺れだす)puddle, jump right in,(水たまりに 飛びこんで)soaking to the skin,(頭から ずぶ濡れ)

Rain plays the whole street,(雨が通りを まるごと鳴らす)and my boots can keep the beat,(ブーツで ビートを刻んで)my 's on the drum,(傘はドラム担当)rain plays the whole street, here we come!(雨が通りを まるごと鳴らす さあ行くよ!)

Splash.(バシャッ)

言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味

傘

英語の umbrella は、ラテン語の「影(umbra)」から生まれた言葉

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 語源・本来の意味

スネア

スネアドラムの名前は、裏側に張られた「弦(スネア)」から来ている

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

トタン屋根

波形の金属の屋根は、1829年にロンドンの港の技師が特許を取ったのが始まり

寄り道する

言葉の寄り道 ・ 歌詞の解剖

東へ

日本のあたりの大まかな天気は、偏西風の影響で西から東へ移っていくことが多い

寄り道する

四

あとがき

雨の日は、ついていない日。そう決めてしまうと、帰り道はただ濡れて、ぼやくだけの時間になります。でも気象庁によれば、日本のあたりの大まかな天気は、偏西風の影響で西から東へ移っていくことが多いそうです。きょう自分を濡らした雲は、あしたには東のどこかで、別の誰かの屋根を鳴らしているのかもしれません。不機嫌は、自分ひとりのものではない。そう思うと、少し肩の力が抜けるのではないでしょうか。雨はやませられなくても、聴き方は選べます。次に降られた日は、フードの中で少しだけ耳を澄ませてみてください。トタン屋根が、もう鳴りはじめています。

五

向かいの棚から、一冊

この本とは、少し違う見方の本です。

Dew on Everything立ち止まる読了何もできなかった夜は、本当に無駄でしたか。

「選び直す」の棚の向かいには、「立ち止まる」の棚があります。

六

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