移住先に求めた条件
私が移住したのは、岡山県の山間部にある、人間よりも鹿や猪などの獣のほうが多い地域です。
物件を探す際の条件は、主に次の5つでした。1つ目は、改修しなくても住めること。2つ目は、家と地続きで畑ができること。3つ目は、道路に面していないこと。4つ目は、ハザードマップで危険区域に指定されていないこと。5つ目は、上下水道が整っていることです。
田舎の物件でよくあることですが、安い物件のほとんどは改修が必要です。また、古民家のような安い物件ではローンが組めません。さらに、住むのに必要のない土地が一緒についてくることもよくあります。
そのため、古民家を買う際は、理想と妥協のバランスを取る必要があります。条件をすべて満たす物件には、空き家バンクや地元の不動産会社を通してもほとんど出会えないと思います。
実際に起きたこと
私が購入した家は、下水道が家から50mほどの場所まで来ているものの、トイレは汲み取り式でした。他の条件は満たしていたため、この家に決めました。
移住までに2ヶ月ほど期間があったので、その間に水洗化の工事をしました。この工事で、追加で100万円ほどかかりました。
内見では天井を見る
内見の際は、必ず天井を確認することをおすすめします。天井裏に上がるのではなく、部屋の中から天井を見上げるだけで構いません。
天井に大きく丸い変色がはっきりある場合は、ハチの巣があった可能性があります。蜜が垂れることで天井の色が変わるためです。一方、広い範囲にじわっと染みたような変色がある場合は、雨漏りの跡である可能性が高いです。
当時の私は、古民家ならどこかしら変色しているものだろうと考えていました。しかし実際に住んでみると、雨の日にポタポタと音がする場所と、天井が変色していた場所は一致していました。
私は音が気になる性格なので、雨漏りの音がストレスになり、何度か業者に修理を依頼しました。合計で50万円近くかかりましたが、雨漏りは現在も直っていません。この業者には、今後は依頼しないことにしています。
地中の水道管が外れていた
移住して間もなく、水漏れも起きました。普段どおり使っていた水道の出が急に悪くなったため、どこかで漏れていると考え、すぐに業者を呼びました。
調べてもらった結果、地中に埋まっている塩ビ管が外れていたことがわかりました。原因は経年劣化だと思われます。
このように、安い古民家ではこうした想定外のことがよく起こります。つまり、移住した後にもお金がかかるということです。
本題:1年目の開墾
前置きが長くなりました。本当は、昔の写真を見返していたときに出てきた、移住1年目に一番頑張っていた頃の写真について書くつもりでした。
誰も使っていない土地は、1年で荒れます。耕作放棄地の畑を使えるようにするには、気合いを入れて開墾するしかありません。以下は、移住して間もない頃の写真です。

草刈り機に慣れるところから
今では当たり前にやっていますが、当時の私は草刈り機をほとんど使ったことがありませんでした。この場所を開墾するには、まず草刈り機を扱えるようになる必要がありました。
初めて買った草刈り機はマキタのものです。とても使いやすい機種でした。それでも最初は刃が怖く、腰が引けた状態で作業していたことを覚えています。ただ、10分ほど使っていると、だんだん慣れてきました。
作業をしたのは、確か10月頃だったと思います。草が生い茂った場所にはヘビもいますし、ハチの巣もあります。先に進むのが怖かったので、足元をきれいに刈ってから一歩ずつ進むことを徹底しました。
草刈り機は音が大きく、周りの音が聞こえにくくなります。そのため、視界に入るもの全てに驚いてしまい、落ち葉や蝶が動くだけでもビクッとしていました。そういった理由で、作業にはとても時間がかかりました。初日は体の疲れよりも、気疲れのほうが大きかったです。
最初は下手でいい
何事も、下手なところから始めればいいと思います。
移住1年目は、新しい環境へのワクワク感が大きいので、何をするにも前向きに取り組めます。わからないことばかりで、手探りのぶん失敗も多いのですが、その失敗も含めて楽しめる時期です。そのため、1年目はいろいろなことに挑戦しやすいと感じます。
これが数年経つと、そうはいかなくなります。慣れは環境に順応する力でもありますが、作業に慣れて要領がよくなるほど、手を抜きやすくもなります。
その典型が草刈りです。最初は時間をかけて丁寧に刈ります。しかし、雨の多い時期には1ヶ月ほどで草がまた伸びてしまいます。「また草刈りをしよう」と思えるうちはいいのですが、それが徐々に「どうせまた生えるし」という気持ちに変わっていきます。これから移住される方は、気をつけてください。
当時の写真を見返して
1年目は、開墾から畑を作り終えるまでに2ヶ月ほどかけたと思います。休みながら少しずつ進めたので、そのぶん時間もかかりました。
当時の写真を見返すと、畑がとてもきれいに整えられていて驚きました。今は畑の周りに草が残ったままになっています。今と比べると、1年目のほうがずっと丁寧に作業していたことがわかります。
