プロットは必要なかった
少しずつミュージックビデオの制作を進めています。今回は、私の簡単な制作工程と合わせて、プロットの必要性について書いてみます。
私は個人で制作しているので、誰かと構想を共有する必要がありません。また、作業を始めるとずっと画面に向かっているタイプなので、これまではプロットのような設計図を作らず、頭の中で組み立てるだけで足りていました。
「StoryboardMan」を作りました
今回、「StoryboardMan」というソフトを作りました。ミュージックビデオ制作ソフトの「MUSICMAN」と合わせて使うことを想定したもので、プロットの作成、ファイル管理、プロンプト管理の機能をまとめています。簡単に言うと、頭の中を整理するためのソフトです。

きっかけは急な来客
作ろうと思ったきっかけは、急な来客でした。
頭の中で構想がまとまり、作業を進めていたときに、近所のおじいさんが「山田くん居るか〜」と訪ねてきました。作業を止めて話し相手をし、30分ほどでお帰りになったのですが、パソコンの前に戻ると、考えていた内容を思い出せなくなっていました。もっと良い流れを考えていたはずなのに、それが何だったのか出てこない状態です。
以前はこういうことはありませんでした。最近は、集中が途切れると作業に対する気持ちの高まりも一緒になくなり、頭の中で組み立てていた構想が消えてしまうことがあります。年齢とともに、記憶が断片的になってきているのだと思います。
AIを使うと管理するものが増える
私の制作では、まず頭の中でイメージした映像を、AIで静止画として出力します。最近は「GPT Image 2」と「Midjourney」を使っています。
この段階で、まずプロンプトを考える作業があります。日本語のままでもある程度の結果は得られますが、細かい部分まで反映させたい場合は、英語に変換したほうがよいと感じています。
プロンプトは日本語から英語へ
英語への変換には、Gemini、Claude、Copilotなどを試してきました。同じように「Midjourney向けに最適化した英語のプロンプトを作成して」と依頼しても、それぞれの出力は似ているようで違います。
複数を組み合わせて使うのが理想ですし、状況によって向き不向きもあるので一概には言えません。ただ、私の使い方ではCopilotが合っています。
理想の画像は、たいてい1回のプロンプトでは出力されません。そのため「この部分をこう変えて」という修正を2回、3回と重ねることになります。Copilotはこうした連続した修正の際に、指定していない意味合いを付け加えることが少なく、修正箇所を正確に把握してくれる印象です。「①と②と③を変更します」という形で、指定した箇所以外には手を加えない傾向があります。
もう一つ大事なのが、長いプロンプトを避けることです。最初のプロンプトで細かい部分まで指定しすぎると、後から修正するのが難しくなります。Copilotは簡潔で必要な内容だけのプロンプトを出力してくれるので、後から要素を追加したり微調整したりする余地が残り、修正用のプロンプトが作りやすくなります。
静止画が増えると管理が大変になる
最初から理想どおりの画像だけを作り続けられればいいのですが、実際にはそうはいきません。AIによる画像は、頭の中のイメージを一度言葉にしてから出力されるので、「こういう感じになるのか」という結果になることがよくあります。
一方で、想像していたものより良い画像が出てくることもあります。そういう画像も候補として残しておきたくなるので、1つのシーンにつき数パターンの画像がたまっていきます。そうなると、目的の画像がどこにあるのか分からなくなります。
StoryboardManは、こうした場面でも使えるようにしました。シーンごとに画像を20枚まで配置できるので、フォルダを開かなくてもアプリ上で画像を管理できます。

プロンプトの履歴を残す
1本のミュージックビデオを作ると、最終的に画像は100枚を超えます。動画素材も含めると、さらに増えます。
次のミュージックビデオに取りかかったときに、「前回のあの画像の雰囲気が良かった」と思うことがあります。ただ、その画像をどんなプロンプトで出力したのかを探そうとしても、他のファイルに埋もれて見つかりません。仕方なく一からプロンプトを作り直すと、まったく違う画像が生成されることもよくあります。
そこでStoryboardManでは、画像ごとにプロンプトを保存できるようにしました。修正を重ねるとプロンプトも変わっていくので、変更前後のプロンプトを差分として残せるようにしています。これにより、元になったプロンプトをいつでも確認できます。

自分で手を動かすこと
今回は、私が使っているプロット用ソフトの簡単な紹介になりました。StoryboardManも、MUSICMANと同様に、準備ができ次第Microsoft Storeで公開する予定です。当サイトの紹介ページも現在制作中です。
最近は、テロップ入れやシーンのカットをAIで自動化する流れがあります。作業を簡略化できるという点で、自動化は便利なものです。
ただ、個人的には、手間のかかる作業を自分でやることで気づけることもあると考えています。映像を見返す中で誤字や脱字を見つけたり、何度も見ているうちに「ここは違う」と感じたりすることがあるためです。
もちろん、映像の種類によっては、テロップやカットの作業に時間をかけても本質的な意味がない場合もあると思います。状況によるので一概には言えません。その上で、自分でできることは自分でやりたいという方にとって、役に立つソフトになればと考えています。