田舎暮らしで野菜づくりをするということ


TAKAHIRO YAMADA
@rural_web
田舎暮らしで野菜づくりをするということ

2016年初頭に東京から岡山に移住しました。2018年を迎えてホッとする気持ちよりも「今年は大丈夫か?」という不安が勝っているのも事実で、今年は昨年以上に結果を残さなければ生き残りが難しいとも感じています。

それは何故か?と問われると、やはり金銭でしょう。
そのなかでも田舎暮らしを夢みる方々の多くが試みるであろう自給自足の形「野菜づくり」が想像以上に出費するからです。もちろんその他の様々な理由はありますが、今回はここに絞って書きたいと思います。

はじめに

先に言っておきますが、私は移住するまで農業(野菜づくり)未経験で知識ゼロです。そして農業1本で生計を立てているわけではなく、現在の本業はウェブ制作です。ですので、決して「田舎暮らし=自給自足」ではないことをご理解ください。あくまで無知が野菜づくり体験したらこう感じたよ話です。

なぜ農業に取り組んでいるか、まずはそこの話になります。これは漠然としたしっかりした指針ではないのですが、仮に「都心から離れていてもある程度収益を確保できるWEB屋」じゃない人が田舎暮らしをしようとした場合、どのように生計を立てるのかと疑問に持ったからです。私自身が目指すところに、カッコいい言葉でいうなら「地方活性」「地方創生」なんてキーワードがあります。そんな大それた事をほざく輩が万人に向けて『移住最高!みんな田舎暮らししようぜ!地方に住もうぜ!』などという寝言は、誰も耳を傾けてはくれないでしょう。まずは、色々な角度から実体験を増やし地域に根付くことに意味があると考えました。

地方でのお金の稼ぎ方は別の機会にしまして、今回はタイトルどおり「野菜づくり」に関してのみ綴りたいと思います。

野菜づくりのイメージ

ふんわりしたイメージだと、「土を耕し→種を植え→大きく実が育つように手入れをして→収穫をする」。とても素敵な時間が想像できますね、うふふふ。

ちなみに移住してから育てた野菜は、

  • ハクサイ
  • キャベツ
  • ニンジン
  • ラディッシュ
  • キュウリ
  • ピーマン
  • トマト
  • トウモロコシ
  • エダマメ
  • ソラマメ
  • ジャガイモ
  • サトイモ
  • ネギ
  • スイカ
  • メロン
  • カボチャ

とか、大体20種類くらいを手あたり次第です。

もちろんそれぞれの季節に合わせて、参考書や地元のおじい様おばあ様に育て方を伺いながら育てたので、成功率は高めでした。飽きるほど食べられました。これだけ聞けば良い思い出話なんですが、改めて振り返り、収支や費やした時間を考えると「う~ん」と考えさせられます。

先ほどの野菜づくりのイメージは本当にふざけた工程ではなく、私はそんなもん程度に考えてました。今はそんな事微塵も思っていません。今年のカリキュラムを考えると、ため息でます。その理由はこうです。

知っておくこと1:害獣対策

野菜づくり以前に必ずしなくてはいけないこと「害獣対策」です。私の畑は、山間部にあるため野生の動物が多くいます。代表的なムカつく相手は「イノシシ・カラス」でした。特に、カラスはイラッとします。

こうなります。(2017年6月に撮影したものです)
まだ中が白いのに、ほじくりやがって!と今見てもイラッとします。この時は近くの畑もスイカをすべてカラスにやられたようで、私のところは4つほど無傷に収穫できました。

と、こういった被害から野菜を守るための対策が必ず必要になります。イノシシやシカ、ハクビシンなど空から来ない動物対策に畑全体を囲う柵を設置します。必要なものは下記です。

  • 害獣用ネット
  • 支柱
  • ネットを括る紐

例えば25㎡くらいの畑なら、

防獣ネットは四方に囲うので、2倍の4,000円程になりますね。本当ならイノシシなどネットを破ってしまう動物もいるので、金網レベルの頑丈なものが良いですが、金額が一気に上がります。

次にネットを支える支柱ですが、1~2メートル間隔に設置した場合50~100本くらい必要になります。

50本だと22,000円くらいですね。代用品を探せばもっと金額は抑えられます。あくまで参考値として。

と、こんな感じで外柵設置に25,000円前後かかります。ちなみに、去年イノシシが柵に突進&掘りまくりで一部破損しました。特に下側に体当たりと地面掘り起しで穴がぼっこり開きました。

一度設置すれば安心と思いがちですが、一年中野ざらしなのと実際に攻撃された部分の補修など、設置後もメンテナンスの費用がかかります。

知っておくこと2:虫対策

害獣対策と同じようなことですが、野菜を狙うのは大きな動物だけではありません。育てる野菜や時期によって、様々な虫が寄ってきます。虫食い野菜に対する見方は色々な意見がありますが、収穫した野菜を出荷販売するような「キレイな野菜」にする場合、対策が必要となります。

キャベツなどの葉野菜であれば、春先になると青虫などが付いているのをイメージできると思います。この子たちは、めっちゃ食います。食べるところがなくなるくらい食べるので、そうすると野菜が光合成できなくなり、収穫以前に育ちません。その為には防虫ネットなどを活用します。

例えばこういう防虫ネットですね。隙間があれば歩いて侵入してくるので、丁寧に隙間なく設置することが大切です。育てる量や広さによって、この防虫ネットの数も多くなります。

知っておくこと3:土壌対策

土に種や苗を植えれば、自然と大きくなるわけではありません。植物は土の中で根を張り、栄養・水分を吸収して生長します。なので、土の状態によって育ち方は様々です。野菜によって違いはありますが、一般的に野菜を作る場合にpH6~6.5程度が理想的な土であると言われています。

耕した直後と、収穫後では土壌の状態はまったく変わります。土中の栄養を使っていますので当然ですね。なので、新たに野菜を育てるにしても土壌調整が必要となります。例えば、酸性に傾いた土をアルカリ性の苦土石灰で調整したりします。

目安として、苦土石灰は1㎡に100g程度で良いようなので、仮に25㎡ならば2.5kgあれば足りる計算なので600~800円くらいでしょうか。

植物の生長に必要な「窒素、リン酸、カリウム」を補うため、鶏ふんなどの肥料を使うこともあります。分かってると思いますが、過剰に施しても生育障害になりますのでご注意を。

私の場合、土壌が肥えてるせいかこれまで「元肥」も「追肥」もほとんどしてないため、鶏ふんがずっと余ってます。。(部分的にパラパラっと一握りまく程度)

知っておくこと4:雑草対策

一番思い出しくないこと1位はこれです、雑草軍団です。特段、梅雨明けから秋までは雑草との闘いです。しばらく放っておくともうボーボーです。畑が広いほど、この処理に時間を取られます。どのくらいになるか実験しました。

上記は2017年7月21日時点のものになります。畝(うね)をつくり、その間の道に雑草を敷き詰めました。これはグリーンカーテンってなんじゃらほい?って疑問から試してみたのですが、こうやって雑草を土が見えなくなる程度に敷いておくと、地中の雑草自体が光合成できず、雑草の生長を止める効果があるんだそうです。せっかくなので、逆にどんだけ雑草伸びるのか畝も放ったらかしにしてみました。そしてその結果は・・・

2017年8月2日の写真です。大体10日くらいですね。見事な雑草畑です、雑草の大収穫です。写真脇の放置地帯も無残なものです。今回は触れませんが、「自然農法」にも関心がありましたので良い実験ができました。

抜いた雑草を敷き詰めることで雑草を抑えられることが分かりましたが、完璧に生えないわけではありません。隙間から雑草魂がスゴイやつらは生えてきます。

とにかく、夏場の雑草がすごい大変ってのをお伝えしたかったわけですが・・・この雑草対策に使われるのが除草シートなどの活用です。

意外と高いんですよね、除草シート。畑全面にやろうとすると馬鹿にならないので、こうしたグリーンカーテンなどの活用が大切なのだと思い知りました。

地道に毎日雑草を抜いていればこんな形にはならないのでしょうけれど、雨続きであったり、仕事だったりで出来ないのが現状だったりします。そのうえ、腰曲げ作業なので長時間も大変です。去年はこの「雑草対策」にずっと悩まされました。今年は草刈機を買ってみようかな、と検討中。

知っておくこと5:時間

私は最初に書いた通り、二足の草鞋です。そのうえ、畑まで家から車で30分かかります。シンプルに、畑に依存するには時間が限られています。この比重をどちらかに傾けても良い状態とはいえません。畑の時間を増やし過ぎても仕事に支障がでるわけです。

夏場は日中暑すぎて出来ません。ですので、朝5時に畑に向かい10時には帰宅します。それでも汗だくになり、疲労困憊で午後から仕事に集中できないときも幾度とありました。

冬場は朝寒すぎです。9時過ぎないと陽があたらない場所ということもあり、そのぶん時間が午後にずれ込みます。

と、ここまでは私情です。
せっかくなので、収穫時について感じた事を。

去年、エダマメの収穫と道の駅への販売を行いました。

計画的にやらなかったもんだから、一面エダマメだらけになってしまいました。見るだけで放心状態になりましたが、せっせこエダマメを採ります。

大体、4~5時間で300gを20セットだった気がします。6kgですね。これを道の駅で、200~300円で販売したと記憶しています。例えば、300g200円で販売した場合、20セットで4,000円の売り上げです。収穫に4時間程度ですね。そして・・・

作業者は、4人です。

仮にこの人数のまま、1日やって8,000円くらいと想像できます。日給1人2,000円です。そして大切なのは、畑の準備からかかった時間と費用も考えないといけません。なかなか満足のいかない結果になりました。

この背景には、もちろん非効率な方法だったり、無計画な部分、技術不足など様々な要因があります。不出来なエダマメがあるため選定に時間がかかりました。虫食いもありました。機械がないので手作業です。

体験ができたことによる「時間」はかけがえのないものですが、日常生活の「時間」と照らし合わせ均衡を保つには相当の労力が必要ということです。

さいごに

田舎暮らしをするにあたって、いきなり野菜とべったり向き合うのは大変難しいです。それこそ生きるために必要な金銭を野菜に頼ろうとするならば、相当なプランニングが必要です。もちろん「野菜づくり」が生計の中心ではなく、例えば自分のお店で提供する食事の一部であったり、趣味というカタチもあります。ただどんなカタチであれ、野菜を育てるということは、自分が思っている以上にイレギュラーがあるということを忘れないでください。

  • 虫や動物に食べられます。
  • 強風で茎が折れ、実が落ちます。
  • 雨続きで腐ります。
  • 日照りで水不足になります。
  • 寒すぎて生長が止まります。
  • 雑草だらけになります。
  • ヘビこわいです。
  • ハチこわいです。
  • 毛虫きらいです。
  • なんでか分からないけど、育ちません。

でもね、野菜を自分の手でつくりそれを味わった喜びは一生忘れません。めちゃくちゃ嬉しいです。だから3年目の野菜づくりも頑張ろうと思ってます。

現場からは以上です。

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